本日お伺いしたお宅の猫ちゃんは、亡くなった子と同い年で、別れを悲しんで鳴いているのかと思ったら、飼い主様によると、認知症を患っているようです。夜泣きがひどくて、気に入らないと噛むようです。長年この仕事をしていますが猫ちゃんの認知症というのは聞いたことがなかったです。
猫も人間と同じように高齢になると認知機能が低下し、認知症のような症状を見せることがあるようです。特に10歳を過ぎると認知機能の低下がみられ始め、15歳以上の高齢猫では、およそ3割から半数程度に何らかの認知機能の低下が見られるという報告もあります。
🐈 猫の認知症の原因
猫の認知症の主な原因は、加齢による脳の老化です。
老化による脳の衰え:加齢に伴い、学習や記憶に関わる脳の海馬という部分が萎縮し、神経細胞が減少することで認知機能が低下します。
脳の病変:人間と同様に、猫もアルツハイマー病と似た脳の変化を起こし、脳に老廃物が蓄積して神経細胞を損傷することがあります。
脳疾患による影響: 脳梗塞や脳出血などの脳疾患が原因となることもあります。また、高齢猫に多い慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症といった病気は、高血圧を引き起こし、脳血管障害のリスクを高める可能性があります。
ストレス:環境の変化や身体的なトラブルなどに伴うストレスも、脳の酸化物質蓄積を促し、認知症を促進すると言われています。
🐾 猫の認知症の症状
猫の認知症では、今までとは異なる行動が現れるのが特徴です。
行動の変化
・無駄鳴きや夜鳴きが増える
・目的もなく徘徊する、壁や部屋の角で行き詰まる
・トイレの場所を忘れて粗相が増える
・食器や水入れの場所を忘れる
・ドアや扉の前で立ちすくむ
・隙間に挟まる、物をうまく避けることができない
・食欲不振、または食欲が増す、好みが変わる
・過度なグルーミング(体を舐める)
性格や反応の変化
・飼い主への呼びかけやしつけに反応しない
・飼い主を認識しなくなる
・これまで好きだった遊びやおもちゃ、食べ物に興味を示さない
・攻撃的になったり、イライラして物を壊すようになる
・穏やかだった猫が神経質になる
・飼い主に甘える行動が見られなくなる
睡眠・覚醒サイクルの変化
・夜間に起きて鳴き続け、日中に眠るなど、昼夜逆転の生活になる
・活動性が低下して、寝ている時間が長くなる
🐾家庭でできるケアと予防
猫の認知症の進行を完全に止めることは難しようです。早期発見と適切なケアによって症状を緩和し、
進行を遅らせることができるようです。
・生活環境の整備
・段差をなくすなど、安全で過ごしやすい環境を整える
・排泄を成功しやすいように複数個所にトイレを設置する
・食事と遊び
・脳を活性化させる遊びを取り入れる
・DHAやEPA,中鎖脂肪酸、フラボノイドなど、認知機能に良いとされる成分を含むシニア向けのキャットフードやサプリメントを獣医師と相談のうえで与える
・抗酸化作用のある食事を取り入れる
行

